「空き家を無料で引き取ります」と案内されたら、物件の代金だけでなく、測量や登記などの費用を誰が払うか確認してください。所有権が移る時期と、それまでの管理責任も契約書で確かめます。
引き取りを決める前に、売却できる見込みと、売った場合に残る金額も比べておきましょう。
「無料で引き取ります」はなぜ成立するのか
まず押さえておきたいのは、「無料引き取り」はボランティアではなくビジネスだということです。無料で引き取った空き家や土地を、業者は次のような形で収益化します(あくまで一般的なビジネスモデルの話で、特定の業者を指すものではありません)。
- リフォームして再販・賃貸に出す — 立地や状態が良ければ、手を入れて売り直す・貸し出すことで利益を出す
- 解体して土地として活用・転売する — 更地にして駐車場や資材置き場、あるいは土地として売り直す
- 手続き代行や関連サービスの手数料を得る — 引き取りに伴う各種手続きの費用を受け取る
つまり、業者から見て「引き取っても採算が合う」物件そのため、無料引き取りが提示されます。逆に言えば、業者が「無料でも引き取る価値がある」と判断した物件は、市場で買主がつく可能性もあるということです。ここが後半のポイントにつながります。
一方で、採算が合いにくい物件の場合、「無料引き取り」と言いながら実際には引き取りにかかる費用を所有者側に負担してもらう形になることもあります。これ自体は違法ではありませんが、「無料」という言葉のイメージと、実際に支払う金額が食い違うことがある点は知っておいてください。
契約前に確認したいこと
引き取りサービスを検討する場合、契約前に最低限、次の3点を確認することをおすすめします。
①費用・諸経費の有無
物件の代金が0円でも、測量費・書類作成費・手続き代行費・残置物処分費などが別途かかる契約は存在します。「引き取りにかかる費用の総額はいくらで、そのうち自分が負担するのはどれか」を、口頭ではなく契約書の記載で確認してください。
消費者向けの注意喚起も出ています。国民生活センターは、土地の引き取り・売却を持ちかけられ、測量費や広告費などの名目で金銭を請求される手口について注意を呼びかけており、「宅地建物取引業の免許を持つ業者であっても悪質な勧誘が行われる可能性がある」「事前に費用負担について確認する」ことを促しています(国民生活センター「より深刻に!『原野商法の二次被害』トラブル」2018年1月25日発表・出典/2026年7月25日確認)。少しでも疑問を感じたら、消費者ホットライン188に相談できます。
②所有権移転の条件
「いつ・どうやって所有権が移るのか」も重要です。所有権移転登記の費用を誰が負担するのか、引き取り後にトラブルがあった場合の責任の所在はどうなるのか。印鑑証明書や実印を求められる場面では、何の書類に押すのかを一つひとつ確認してください。
③契約書の内容そのもの
急がされて内容をよく読まないまま署名・押印してしまうのが一番のリスクです。契約書を持ち帰って落ち着いて読む、可能であれば第三者(不動産の専門家など)に見てもらう、といった一手間が身を守ります。
「売れない」は思い込みかもしれない
「こんな古い家、誰も買わない」「田舎の土地なんて売れるわけがない」——ご相談でよく聞く言葉です。でも、実際に査定してみると事情が違うことは少なくありません。
- 立地がそこそこ良い — 高松市内や主要駅・スーパーの近くなら、リフォーム前提で住みたい買主は実際にいます
- 古家付き土地として売れる — 建物に価値がなくても、土地として買主がつくケースは多くあります
- 土地の状態次第で用途がある — 駐車場需要のあるエリア、隣地所有者が買いたい土地、など
そもそも冒頭で触れたとおり、業者が「無料でも引き取る」と判断する物件には、市場で値がつく可能性が残っています。無料引き取りに出す=実質0円で手放す前に、「本当に0円なのか、いくらで売れるのか」を無料査定で一度確かめるだけで、結果が大きく変わることがあります。
買取と仲介の損得の考え方は空き家の買取と仲介はどちらが得?で、売却にかかる費用の全体像は空き家売却の費用まとめで詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
手放す選択肢の正しい順番
空き家・土地を手放すとき、損しないための検討順序はおおむね次のとおりです。引き取りは、上の選択肢を検討し尽くしたうえでの最後の選択肢と位置づけるのがおすすめです。
- まず仲介の無料査定を受ける — 「本当に売れないのか」「いくらで売れるのか」を知る。売る義務はありません
- 空き家バンクへの登録を検討する — 高松市には空き家バンク登録物件向けの改修補助(上限50万円)などもあります。制度の解説は高松市の空き家バンクをご覧ください(※当所はバンク登録の窓口ではありません。登録の窓口は高松市住宅政策課です)
- 土地のみなら相続土地国庫帰属制度を検討する — 相続した土地を国に引き取ってもらう制度。ただし建物がある土地は対象外で、審査手数料(一筆14,000円)や負担金(基本20万円)もかかります。詳しくは相続土地国庫帰属制度とはへ
- それでも難しければ、引き取りを検討する — ここまでの選択肢を確認したうえでなら、納得して判断できます
引き取りの契約を結ぶ前に、売却した場合の価格と費用を確認しておけば、条件を比較できます。
香川・高松での相談先
よしもと空き家相談所は、香川県高松市を中心に空き家の売買仲介を行っています。**買取・引き取りは行っていません。**市場で買主を探す仲介の専門そのため、「無料引き取りに出すべきか」「まず売れるか確かめるべきか」を、特定の手放し方に誘導することなくお伝えできます。
査定・ご相談は無料です。「もう売れないと思っている」物件こそ、一度査定してみる価値があります。査定の結果、仲介では難しく引き取りも選択肢になるケースなら、その旨も正直にお伝えします。
県外にお住まいの方へ
「香川の実家を相続したが、自分は県外に住んでいて現地に行けない」という方も多いはずです。よしもと空き家相談所は、遠方からの売却相談に対応しています。LINEでの写真査定、IT重説(オンラインでの重要事項説明)、契約書の郵送など、遠方にお住まいでも手続きを進められます。詳しくは遠方にお住まいの方の空き家売却をご覧ください。
「無料引き取りに出そうか」と考える前に、県外からでもまず相場を確かめる——それだけで選択肢が広がります。
参考資料・情報確認日
- 国民生活センター「より深刻に!『原野商法の二次被害』トラブル」(国民生活センター・2018年1月25日発表/最終確認日:2026年7月25日)
ご相談について
香川・高松の空き家・土地の査定、手放し方のご相談は無料です。お問い合わせからどうぞ。LINEでのご相談も受け付けています。
※本記事は2026年8月時点の一般的な情報です。個別の契約内容・税務・登記の判断は、契約前に専門家にご確認ください。






