結論: 台風から空き家を守るためにやるべきことは3段階あります。
- シーズン前(6月まで)に点検・補修 — 瓦のズレ・雨どいの詰まり・雨戸の動作確認・庭木の剪定
- 台風接近中は近づかない — 安全最優先。無理な確認行動は危険
- 通過後は早めに(1〜2日以内)確認 — 写真を撮りながら被害箇所を記録する
遠方にお住まいでシーズン前の点検が難しい方は、管理代行サービスの活用をご検討ください。
香川の台風リスクを正しく知る
気象庁の統計(1991〜2020年の30年平均)によると、四国地方に接近する台風は年間3.3個が平年値です。7〜9月に集中しており、7〜9月の空き家管理で「台風への備え」は外せない項目です。
香川県に台風が直撃するケースは多くありませんが、四国に接近するだけで強風・大雨の影響を受けます。特に注意が必要なのが高潮です。2004年(平成16年)の台風16号では、高松港の潮位が観測史上最高の2.46mを記録。高松市を中心に県下の沿岸部で大規模な浸水が発生し、香川県全体で床上浸水5,877戸・床下浸水16,088戸に達しました(出典: 香川県「過去の水害実績」)。
空き家が受ける最大のリスクは直撃ではなく、小さな破損の放置です。
- 台風で瓦が1〜2枚ずれると、次の雨で雨漏りが始まります
- 雨どいが壊れた状態を放置すると、外壁や基礎に水が回ります
- 雨漏りは放置日数が長いほど修繕費用が膨らみます
人が住んでいる家であれば小さな異変にすぐ気づけますが、空き家では発見が遅れます。「台風後に1ヶ月経ってから見に行ったら天井が落ちていた」というケースも珍しくありません。無人であることが、被害を倍増させる構造になっているのです。
台風前のチェックリスト(シーズン前にやっておく)
台風への備えは「台風が来てから」ではなく、シーズン前(6月まで)が鉄則です。台風接近中に慌てて対応しようとすると、強風下での屋外作業になり非常に危険です。
次のチェックリストを、台風シーズン入り前(またはお盆帰省前)に行いましょう。
屋根まわり(優先度:高)
- 瓦のズレ・浮き — 地上から双眼鏡で確認。明らかなズレがあれば業者に相談。放置した瓦は台風で飛散し、隣家を傷つけるリスクもある
- 雨どいの詰まり — 落ち葉・土・ゴミが詰まっていると強雨で溢れ、外壁に水が回って腐食が進む。地面に落ちている砂や苔のかけらは詰まりのサイン
- 雨どいの固定金具 — サビて外れかけていないか目視で確認。強風で丸ごと落下することがある
開口部(優先度:高)
- 雨戸・シャッターの動作確認 — 長期間閉めていないと錆びついて動かなくなることがある。台風前に必ず試運転し、動かない場合は早めに修繕を
- 窓ガラスのひび割れ — 小さなひびでも台風の強風・気圧変化で割れるリスクがある。ひびを見つけたら補修テープでの応急処置か交換を検討
庭・外まわり(優先度:中)
- 植木鉢・物干し竿・庭石の飛散対策 — 強風で飛ばされると隣家や通行人を傷つける。物干し竿は台風前に外すか紐で縛って固定する
- 庭木の剪定(越境枝に注意) — 隣の敷地に越境した枝が台風で折れて落下すると、隣家への弁償問題になることがある。梅雨前に剪定しておく
- ブロック塀・フェンスの状態 — ぐらつきや傾きがあれば台風で倒壊するリスクがある。古い大谷石塀は特に注意
これらのチェックは年1回・6月ごろを目安に行うのが理想です。空き家の季節ごとの管理作業全般は空き家管理の年間チェックリストも参考にしてください。
台風接近中〜直後にやること
接近中:近づかない
台風接近中の建物確認は原則行わないでください。強風下での屋外作業は人命に関わります。「屋根が心配だから少しだけ様子を見に」という行動が最も危険です。事前の備えが整っていれば、台風の間は無理に動かないことが正しい判断です。
通過後:早めの確認が鉄則
台風が通過したら、できるだけ早く現地を確認することが重要です。目安は通過後1〜2日以内。雨漏りは放置した日数に比例して被害が拡大します。1週間放置すれば、天井板が落ちる・壁がカビで真っ黒になるといった二次被害につながります。
確認するポイント
- 屋根 — 瓦のズレ・棟板金の剥がれ。地上から双眼鏡でも確認できる
- 雨どい — 変形・破損・外れ。強風で曲がったり、飛来物でへこんでいることがある
- 窓ガラス・サッシ — 割れ・ひび。台風後に気づかず放置すると次の雨で室内が濡れる
- 天井・壁 — 雨漏りの痕(シミ・変色)。押入れの中や北側の部屋も忘れずに確認
- 浸水痕 — 床面の水痕・泥汚れ。沿岸部・低地の物件は高潮浸水の可能性も念頭に
写真を必ず撮る
被害箇所はすべて写真に残してください。修繕業者への見積もり依頼と、火災保険の請求(後述)の両方で必要になります。「広角で全体→近寄って被害箇所」の順で複数枚撮るのが基本です。
換気と通水は台風後の確認時にもあわせて実施しましょう。台風による湿気が室内に入り込んでいる場合があります。正しい換気のやり方は空き家の換気は月何回・1回何分?で解説しています。
火災保険の風災補償の基礎知識
台風による建物被害は、一般的に火災保険の**「風災補償」**の対象になる場合があります。
- 台風・突風・竜巻などの風によって生じた損害(屋根破損・飛来物による窓ガラス破損など)が対象になることが多い
- 補償の範囲・免責金額・支払い条件は保険契約の内容によって異なる
- 請求には被害箇所の写真と修理見積書が必要になることが多い
ただし、保険が適用されるかどうか・どの範囲まで補償されるかは、ご加入の保険会社・代理店にご確認ください。当相談所では保険の可否判断は行っておりませんので、加入先の担当者に直接お問い合わせください。
また、空き家の場合は「空家リスク」として通常の火災保険の引受条件が変わる場合があります。加入している保険が空き家状態でも有効かどうか、改めて確認しておくことをおすすめします。
遠方から備えるには
お盆帰省を「台風前点検」に活用する
台風シーズンの本番(8〜9月)の直前にあたるお盆(8月13〜16日)の帰省は、年1回の台風前点検として最も活用しやすいタイミングです。帰省時に本記事のチェックリストをひと通りこなしておけば、シーズン後半の台風への備えが整います。
帰省時の実家確認の全体的なポイントはお盆帰省前に確認したい実家チェックリスト(2026年7月10日公開)もご参照ください。
行けないときは管理代行サービスを活用する
「毎年帰れるとは限らない」「台風後に急に行くのは難しい」という方には、空き家管理代行サービスが有効です。
よしもと空き家相談所の巡回管理サービス(ワンコインプラン月500円〜、室内換気・通水込みのスタンダードプラン月5,500円税込・月1回・写真付き報告)では、台風シーズン前の点検と台風後の臨時確認についてもご相談いただけます。遠方にお住まいでも、建物の状態をタイムリーに把握できます。詳しくは空き家管理サービスのご案内をご覧ください。
遠方から空き家を管理するための全般的な方法は遠方の空き家を管理する方法もあわせて参考にしてください。
また、台風被害が重なって「この家の維持が限界」とお感じの場合は、早めに売却を検討することも選択肢の一つです。管理を放置して特定空家等に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が大幅に増える可能性があります(詳しくは空き家と固定資産税——特定空家になったらどうなる?をご覧ください)。
県外にお住まいの方へ
「香川に実家・土地があるが、台風のたびに心配でも帰れない」という方のために、よしもと空き家相談所はLINEだけで完結できる相談・管理・売却の仕組みを整えています。台風後の建物確認も、写真付きレポートを通じて現地に行かずとも状態をお伝えできます。
来県ゼロで売却を進める方法も含め、香川の空き家・実家を遠くから動かす方法をご覧ください。
ご相談・お問い合わせ
台風の季節、「家が心配なのに行けない」とお感じの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
現地への巡回管理から台風後の臨時確認まで、よしもと空き家相談所がサポートします。
LINEでのご相談も歓迎しています。台風後、現地を見に行けない方はLINEでお気軽にメッセージをお送りください。




