テナント賃料は、条件の近い物件を比べ、坪単価と空室期間を確かめて決めます。 同じ高松市内・同じ広さでも、階数、駐車場、設備、使える業種が違えば、比較する相手も変わります。
この記事では「うちの空き店舗をいくらで貸すか」を考えるために、計算例と確認項目をまとめました。掲載する金額は計算方法を示す仮の数字で、高松の相場や当所の成約実績ではありません。
- 同じエリア・階数・用途など、条件の近い募集事例を探す
- 坪単価と共益費・駐車場代などをそろえて比較する
- 空室期間や貸し出し前の修繕費も踏まえて、募集条件を決める
個別の賃料を知りたい方は、店舗の所在地から賃料を相談するへ。面積や希望賃料がまだ分からなくても、相談・賃料査定は無料です。
店舗の賃料を考える3つの視点
店舗の賃料は、ひとつの計算式で自動的に決まるものではありません。次の3つの視点を突き合わせて、「早期に借り手が見つかり、かつオーナーの手残りが納得できる」賃料帯を探るのが実務です。
①周辺の募集事例から見る(比較法)
もっとも実態に近いのが、近隣で募集・成約している同種物件の賃料と比べる方法です。同じエリアで、面積・階数・築年・駐車場の有無が近い店舗がいくらで募集されているか、実際に成約したのはいくらかを集めて目線をつくります。
店舗は住宅のように公表された統計が乏しく、レインズ(不動産流通標準情報システム)や現場で集めた事例が判断材料の中心になります。同じ商店街でも賃料は一律ではなく、通行量・角地かどうか・視認性といった細かな条件で差が出ます。
②面積・坪単価から見る
募集賃料を1坪(約3.3㎡)あたりの単価=坪単価に換算して比較する見方です。「月額賃料 ÷ 坪数 = 坪単価」で計算し、近隣事例の坪単価と照らし合わせます。面積の異なる物件どうしを同じ物差しで比べられるため、事例比較と組み合わせて使います。
ただし、坪単価は立地・階数・用途で大きく変わり、公表された一律の相場があるわけではありません。「この地域は坪◯円」と断定するのは危険で、あくまで事例から導いた目安として扱います。
坪単価の計算例:月15万円・約20坪なら約7,500円/坪
- 坪数の目安:面積(㎡)÷ 3.3058
- 坪単価:月額賃料 ÷ 坪数
- 仮に面積約66.1㎡(約20坪)、月額賃料15万円なら、15万円 ÷ 約20坪 = 約7,500円/坪
この例の賃料は税抜・共益費なしとしています。別の物件と比べるときも、税込・税抜をそろえ、共益費や駐車場代が別かどうかを確認します。坪単価が同じでも、借主の毎月の支払額が同じになるとは限りません。
③投資回収(利回り)から見る
オーナー側の視点として、その物件からどれくらいの家賃収入を得たいか=利回りから逆算する見方もあります。物件の資産価値や、貸し出すためにかけた改修費・維持費に対して、年間家賃がどの程度かを意識する考え方です。
ただし、これは「オーナーの希望」であって、そのまま市場で通るとは限りません。希望利回りから出した賃料が近隣事例より高ければ、借り手はつきにくくなります。①②の市場目線と③の希望をすり合わせるのが現実的な進め方です。
募集条件も「実質の賃料」に効く
賃料を考えるとき、月額の数字だけを見ていると判断を誤ります。借主が負担する総コストは、次のような募集条件によって大きく変わり、実質の賃料を左右するからです。
- 保証金(敷金):退去時の原状回復や滞納に備えて預かるお金。店舗は住宅より高めに設定されることが多く、借主の初期負担に直結します。
- 礼金:契約時にオーナーへ支払われ、返還されないお金。募集の強気・弱気が表れる部分です。
- フリーレント:入居後の一定期間、賃料を無料または減額にする条件。開業準備期間の負担を軽くして申し込みを促す手法で、月額を下げずに実質の負担を下げられます。
- 原状回復の負担区分:退去時にどこまでを借主が戻すか(スケルトンに戻すのか、造作を残せるのか)。この区分は借主のコスト感に影響し、間接的に「払える賃料」を左右します。
たとえば「月額は高いがフリーレント3ヶ月」と「月額は低いがフリーレントなし」では、借主が実際に負担する総額が近くなることもあります。表面の月額と募集条件はセットで設計するという視点が、店舗賃料では特に重要です。
居抜きで貸すかスケルトンに戻して貸すかは、原状回復や造作の扱いと直結します。詳しくは居抜きとスケルトン、貸すならどっちもあわせてご覧ください。
高松市で比較する店舗を選ぶときの確認項目
高松市内で店舗の賃料を考えるときは、エリアの性格の違いを押さえておくと目線がつかみやすくなります(あくまで傾向で、個別物件の金額は事例確認が前提です)。
- 中心市街地・商店街:丸亀町・兵庫町といった中央商店街エリアや、ことでん・JRの駅周辺は、通行量の多いメインストリート沿いと路地奥とで条件が大きく分かれる傾向があります。同じ商店街でも、視認性と人通りで候補テナントの幅が変わります。
- ロードサイド:車での来店を想定する業種では、駐車場の有無・台数、道路からの入りやすさを確認します。駐車場付きの物件と別契約の物件では、店舗の賃料だけでなく駐車場代を含めた負担も比較します。
同じ「高松市の店舗」でも、立地の性格によって狙える業種も適正賃料の目線もまったく違ってきます。そのため、現地を見て周辺事例と突き合わせる工程が欠かせません。
募集情報を集めたら、次の項目を並べてみてください。条件の違いが大きい物件は、坪単価だけをそのまま当てはめないようにします。
| 比較する項目 | 確認すること |
|---|---|
| 場所・階数 | 商店街沿いか路地か、1階か上階か、入口や看板が見えるか |
| 面積・間取り | 使える広さ、間口、客席・厨房・倉庫などの配置 |
| 駐車場 | 台数、店舗までの距離、賃料に含むか別契約か |
| 設備・使い方 | 給排水・電気・換気の状態、希望業種に使えるか |
| 引き渡し条件 | 居抜きかスケルトンか、残す設備と修繕の負担 |
| 毎月・契約時の費用 | 賃料、共益費、保証金、礼金、フリーレントの有無 |
募集賃料は「その金額で成約した」という意味ではありません。 掲載中の物件は募集の希望額として整理し、確認できる成約事例と分けて判断します。飲食店を想定する場合は、飲食店に貸す前の設備・近隣への配慮も確認しておくと、貸せる条件を整理しやすくなります。
賃料を高く決めすぎるリスク——空室期間の損失
オーナーとしては1円でも高く貸したいのが自然な気持ちですが、相場より高く設定しすぎると内見・申し込みが入らず、空室期間が延びるというリスクがあります。
見落とされがちなのが、空室が続く間は家賃を受け取れないことです。月額と空室期間を変えた場合を、同じ期間で比べると判断材料になります。
空室期間と家賃収入の比較
募集開始から12か月間を比べ、入居後の退去・滞納・フリーレントはないと仮定します。賃料はいずれも税抜の仮の金額です。
| 想定 | 計算 | 12か月間の家賃収入 |
|---|---|---|
| 月15万円・空室1か月 | 15万円 × 11か月 | 165万円 |
| 月16万円・空室3か月 | 16万円 × 9か月 | 144万円 |
この条件では、月額が1万円高くても受け取る家賃は21万円少なくなります。これは税金・保険・修繕費・仲介料などを引く前の収入比較で、手残りや成約までの期間を保証するものではありません。 実際には必要な工事費、フリーレント、契約期間も含めて検討します。
「高く貸す」ことと「トータルで得をする」ことは必ずしも一致しません。まずは早期成約が見込める賃料帯を近隣事例から確認し、そこから条件を調整するのが安全な進め方です。募集を始める前段の全体像は空き店舗を貸したい人が最初に読む記事にまとめています。
仲介手数料(媒介報酬)の考え方
賃料の目線と並んで気になるのが、貸すときにかかる費用です。課税事業者が受ける賃貸仲介の報酬は、原則として貸主・借主からの合計で、税抜賃料1か月分の1.1倍(税込)が上限です。ただし、権利金の授受がある事業用賃貸や、長期の空家等には別の算定・特例があります。単純にすべての物件が同じ上限になるわけではありません。国土交通省の報酬告示(第四・第六・第九)で確認できます。
当所では相談・賃料査定は無料で、仲介料は成約時に発生します。お客様の負担額と条件はご契約前にご説明します。修繕・片付け・空き期間の管理などを依頼する場合の費用は、仲介料と分けて確認してください。
賃料査定を頼むときに伝えること・相談の流れ
最初から書類をすべてそろえる必要はありません。まずは所在地と現在の使い方をお知らせください。次のメモを分かる範囲で埋めると、確認したいことを伝えやすくなります。
- 所在地:高松市○○町(分かる範囲で)
- 今の状態:空室/使用中、以前の業種など
- 広さ・階数・駐車場:不明でも構いません
- 希望:賃料を知りたい/募集したい/売却と迷っている
図面や外観・室内の写真が手元にあれば、LINEでもお送りいただけます。写真を撮るためだけに先に帰省する必要はありません。現地確認の方法からご相談ください。
「うちの店舗はいくらで貸せるのか」を知るいちばん確実な方法は、現地と近隣事例をふまえた賃料査定を依頼することです。当所での流れは次のとおりです。
- 相談・ヒアリング:物件の所在地・面積・階数・築年数・現在の状態、貸したい業種の希望などを伺います。査定・相談は無料です。
- 現地確認:担当者が物件を実際に確認し、通行量・駐車場・視認性・建物の状態をチェックします。
- 賃料査定・募集条件の提案:近隣の募集・成約事例をもとに、早期成約が見込める賃料帯と、保証金・フリーレントなどの募集条件をセットでご提案します。
- 募集開始:ご納得いただいた条件でレインズ登録・ポータル掲載を行い、募集を始めます。
この段階で「必ず貸してください」ということはありません。まずは現状の目線を知るところから始められます。テナント募集・賃料査定の窓口は空き店舗の活用・テナント募集にまとめています。
県外にお住まいの方へ
「香川に店舗や店舗付き住宅があるが、自分は県外に住んでいて現地対応できない」というオーナーは多くいらっしゃいます。
よしもと空き家相談所では、現地確認・賃料査定・内見の立ち会い・鍵の管理・条件交渉に対応しています。書類のやり取りや鍵の受け渡し方法は、ご事情を伺って調整します。募集が決まるまでの建物の管理は、空き家管理サービスとして内容と料金を別途ご案内します。
遠方から香川の物件を活用する方法の全体像は県外からの売却・活用まとめにまとめています。
参考資料・情報確認日
- 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(令和6年6月21日改正)(国土交通省・確認日:2026年9月21日)
「いくらで貸せるか知りたい」だけでもご相談ください。 店舗の所在地と現在の使い方から、次に確認することをご案内します。フォームで店舗の賃料を相談するか、テナント募集・賃料査定の案内へお進みください。






