結論: 空き家のライフラインは、電気と水道は残す・ガスは解約が基本です。
- 電気は換気扇・掃除・防犯(照明やセンサー)に必要。四国電力の従量電灯Aは最低料金が月666円89銭ほど
- 水道は月1回の通水(封水切れの悪臭・配管のサビ防止)に必要。高松市エリアの基本料金は口径13mmの一般用で月1,000円ほど
- ガスは巡回管理では使わないため解約が基本。基本料金がムダになるうえ、安全面でも止めておくほうが無難
「維持費を減らしたいから全部止めたい」という相談をよくいただきますが、電気と水道まで止めてしまうと、かえって家の傷みが早まります。高松市で空き家を巡回している立場から、残す・止めるの判断基準と実額を整理します。
電気・水道・ガス、どう判断する?
判断の軸はシンプルで、「その設備を使った管理をこの先も続けるか」です。管理のたびに使う電気と水道は残し、管理では使わないガスは止める、というのが基本形になります。
| ライフライン | 基本の判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 電気 | 残す | 換気扇・掃除機・防犯照明に必要。最低料金は月666円89銭ほど |
| 水道 | 残す | 月1回の通水に必要。基本料金は口径13mmの一般用で月1,000円ほど |
| ガス | 止める(解約) | 巡回管理では使わない。基本料金がムダになり、安全面でも停止が無難 |
そもそも空き家の管理では、月1回の換気と通水が基本作業になります。この2つを支えているのが電気と水道です。放置した空き家がどう傷むかは空き家管理の基本|放置するとどうなる?にまとめています。
電気を残す理由と基本料金
換気・掃除・防犯に通電が要る
電気を止めてしまうと、空き家管理でやりたいことのほとんどができなくなります。
- 換気扇 — 浴室や洗面所の換気扇を回して湿気を逃がせない
- 掃除 — 掃除機やコードレスの充電が使えない
- 防犯 — タイマー照明や人感センサーライトで「無人に見せない」対策が取れない
- 点検 — 夜間や日の入りが早い季節に、室内の照明で状態を確認できない
とくに防犯面は見落とされがちです。夜にまったく灯りのつかない家は、外から見て空き家だと分かりやすくなります。
四国電力の最低料金は月666円89銭ほど
香川県で一般的な四国電力の「従量電灯A」には、最初の11kWhまでの「最低料金」という仕組みがあります。使用量がどれだけ少なくても毎月かかる下限で、その額は666円89銭です(規制料金単価・税込、2024年4月1日実施)。
空き家でたまに照明や換気扇を使う程度なら、多くの月はこの最低料金前後で収まります。年間にしても8,000円前後で、家の傷みを防ぐ保険と考えれば十分に見合う金額です。
なお、長期間離れるときは、分電盤で使わない回路のブレーカーを落としておくとより安心です。地震や停電のあと電気が復旧するときに、傷んだ配線や電化製品から出火する「通電火災」への備えになります。消防庁も、電気の復旧前に配線・プラグ・機器の損傷を確認するよう呼びかけています。契約自体は残しつつ、使わないコンセントは抜いておく——これが空き家での電気との付き合い方です。
水道を残す理由と基本料金
通水しないと悪臭・サビが進む
水道を止めると、通水ができなくなります。通水は空き家管理で最も効果の分かりにくい作業ですが、止めた影響ははっきり出ます。
- 封水切れの悪臭 — 排水口の下にある「排水トラップ」の水(封水)が蒸発すると、下水の臭いや害虫が室内に上がってきます
- 配管のサビ — 水を流さない期間が続くと配管内にサビが溜まり、詰まりや漏水の原因になります
一度悪臭が染みつくと、通水を再開してもなかなか抜けません。売却や賃貸を考えたときに、内見での第一印象を大きく損ないます。
高松市エリアの基本料金は月1,000円ほど
高松市エリアの水道は香川県広域水道企業団が運営しています。基本料金はメーターの口径で決まり、**一般用の口径13mmで月1,000円(2ヶ月で2,000円)、口径20mmで月2,000円(2ヶ月で4,000円)**です。これに使った分の従量料金(1〜10㎥/月は1㎥あたり40円など)が加わります。
空き家で月1回の通水をする程度なら、多くは基本料金に近い水準で収まります。悪臭やサビで室内価値を落とすことを思えば、止めない判断が現実的です。
ガスの解約が基本の理由
電気・水道と違い、ガスは解約が基本です。理由は明快で、巡回管理では調理も入浴もしないため、ガスを使う場面がまったくないからです。
都市ガスでもプロパン(LP)ガスでも、契約を残せば使わなくても基本料金が毎月かかります。使わない設備の基本料金を払い続ける意味は乏しく、安全面でも、無人の家でガスを通したままにしておくメリットはありません。将来また住んだり貸したりするときに、あらためて開栓の手続きをすれば済みます。
閉栓(利用停止)の際は、ガス会社による栓の閉止やメーターの取り扱いが必要になることが多いため、契約中のガス会社に連絡して手続きを進めてください。
契約変更・名義変更の実務
相続した空き家では、電気・水道・ガスの契約名義が亡くなった方のままになっているケースがほとんどです。支払口座の関係もあるため、早めに名義変更または利用中止の手続きをしておきましょう。連絡先は次の3種類です。
- 電気 — 契約中の電力会社のカスタマーセンター(香川県の多くは四国電力)
- 水道 — その地域の水道の窓口(高松市エリアは香川県広域水道企業団)
- ガス — 契約中のガス会社(都市ガス・プロパンで会社が異なる)
いずれも、検針票や請求書に記載の「お客さま番号」「供給地点特定番号」などが分かるとスムーズです。名義変更は相続関係を確認できる書類を求められることがあります。手続きの詳しい進め方や必要書類は各社・各窓口で異なるため、直接問い合わせて確認してください。
なお、電気・ガス・水道の解約や名義変更そのものに、登記や税務のような専門資格は必要ありません。当所でも、どこに何を連絡すればよいかの整理はお手伝いできますが、契約手続き自体はオーナーさまご本人か、委任を受けた方が行う形になります。
県外にお住まいの方へ
香川の実家を相続したものの、県外に住んでいて現地の手続きが進まない——これは非常によくあるご相談です。ライフラインの名義変更や、止める・残すの判断だけでも、遠方からでは腰が重くなりがちです。
よしもと空き家相談所では、こうした県外オーナーさま向けに、現地に来ていただかなくても進められる形でサポートしています。管理から売却までを来県ゼロで進める流れは遠方から空き家を売る方法にまとめています。日々の換気・通水を含めた巡回管理を任せたい場合は、高松市の空き家管理サービスの選び方もあわせてご覧ください。
まとめ|迷ったら「電気・水道は残す、ガスは止める」
- 電気は残す — 換気・掃除・防犯に必要。四国電力の最低料金は月666円89銭ほど
- 水道は残す — 月1回の通水に必要。高松市エリアの基本料金は口径13mmで月1,000円ほど
- ガスは止める — 管理では使わず、基本料金がムダ。安全面でも解約が無難
電気と水道の基本料金を合わせても月2,000円弱。この金額で家の傷みを大きく防げると考えれば、安易に全部止めるより残すほうが結果的に得になるケースが多いです。
「うちの空き家はどうすべき?」と迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。お問い合わせフォームのほか、LINEでの相談も受け付けています。写真を送っていただければ、県外にお住まいでもやり取りだけで判断のお手伝いができます。





