結論: 高松市の「老朽危険空き家除却支援補助事業」では、解体工事費の3分の1(上限50万円)、住民税非課税世帯は**5分の4(上限120万円)**の補助が受けられます。
- 申請窓口は高松市役所本庁舎9階・住宅政策課(FAX・メール不可)
- 交付決定前に着工すると対象外。必ず事前相談→申請→決定後に着工
- 募集は例年春(令和8年度は5/7〜6/5、2次募集は9/7から先着)。予算枠・件数に限りあり
解体費用の目安から対象条件、申請の流れ、更地化で固定資産税が上がる注意点まで解説します。
空き家の解体、費用はどれくらいかかる?
「実家を相続したけど、建物が古くて売れそうにない。解体した方がいいのだろうか」
このようなご相談を高松市内でよくいただきます。老朽化した空き家は、放置すれば倒壊や瓦の落下など近隣への危険が増していきます。一方で、解体には決して安くない費用がかかります。
まずは一般的な解体費用の目安を見てみましょう。
| 構造 | 坪単価の目安 | 30坪の場合 |
|---|---|---|
| 木造 | 3〜5万円/坪 | 約100〜150万円 |
| 鉄骨造 | 5〜7万円/坪 | 約150〜210万円 |
| RC造(鉄筋コンクリート) | 6〜8万円/坪 | 約180〜240万円 |
実際には、重機が入りにくい狭い道沿いの物件、ブロック塀や庭木の撤去、残置物の処分などが加わると、木造30坪でも150〜250万円程度になるケースが少なくありません。
この負担を軽くしてくれるのが、高松市の解体(除却)補助金です。
高松市の補助制度「老朽危険空き家除却支援補助事業」

高松市では、周辺の生活環境に悪影響を及ぼすおそれのある老朽化した危険な空き家の取壊し(除却)に対して、補助金を交付しています。令和8年度(2026年度)の内容は次のとおりです。
| 区分 | 補助率 | 上限額 | 予定件数 |
|---|---|---|---|
| 通常枠 | 工事費の3分の1 | 50万円 | 41件程度 |
| 住民税非課税世帯枠 | 工事費の5分の4 | 120万円 | 12件程度 |
※補助率は「補助対象事業費」と「国が定める標準除却工事費」のいずれか少ない額に対して計算されます。
例えば180万円の解体工事なら、通常枠で最大50万円の補助が受けられる計算です。住民税非課税世帯であれば補助率が大きく上がり、自己負担をかなり抑えられます。
なお、香川県内では高松市以外の市町にも同様の除却補助制度があります。物件が他市町にある場合は、その市町の窓口に確認してみてください。
対象になる空き家の条件
どんな空き家でも補助が出るわけではありません。主な要件は次のとおりです。
- 高松市内にある老朽危険空き家で、腐朽・破損の程度が市の定めた基準を超えていること(不良度測定基準で評点合計100点以上の「不良住宅」と判定されること)
- 周辺の生活環境に悪影響を与えている、またはそのおそれがあること
- 補助金の交付決定の日において、除却工事に着手していないこと
- 申請年度の1月末日までに工事の完了が見込まれること
- 公共事業等による移転・建替え等の補償対象になっていないこと
- 不動産業者が事業目的で行う除却でないこと
ポイントは「まだ住める状態の空き家は対象外」ということです。あくまで老朽化して危険な状態の建物が対象で、市の基準による不良度判定をクリアする必要があります。
また、申請できるのは空き家の所有者またはその法定相続人(もしくはその同意を得た方)です。ただし住民税非課税世帯枠は空き家を所有している方本人に限られる点にご注意ください。過去にこの補助金を受けた方や、世帯に市税の未納がある場合は対象外となります。工事は高松市内に事業所を置く解体業者(建設業許可または解体工事業登録のある業者)に依頼する必要がある点にも注意してください。
申請の流れと注意点

申請の大まかな流れ
- 住宅政策課へ事前相談
- 解体業者から見積書を取得
- 申込書+見積書を住宅政策課(市役所本庁舎9階)へ提出(FAX・メール不可)
- 補助予定者に決定されたら、正式な交付申請
- 交付決定後に工事着工
- 工事完了後、実績報告 → 補助金の受け取り
注意点1:着工前の申請が必須
最大の注意点は、交付決定前に工事を始めてしまうと補助が受けられないことです。「先に解体してしまった」というケースは救済されません。必ず申請・交付決定を待ってから着工してください。
注意点2:受付期間と予算枠
令和8年度の申込期間は令和8年5月7日〜6月5日でした(予算を超える申込があった場合は抽選)。1次募集で予算が残った場合は、9月7日から先着順で2次募集が行われる予定です。
つまり、この記事の公開時点(2026年6月)では1次募集は終了しています。これから検討する方は、9月の2次募集の有無を市に確認するか、来年度の募集に向けて今のうちから準備を進めておくのがおすすめです。例年、募集は春に始まるため、前年度のうちに事前相談と見積取得を済ませておくとスムーズです。
注意点3:年度内の完了期限
補助を受ける場合、令和8年度分は令和9年1月末日までに工事を完了させる必要があります。解体業者の繁忙期と重なると工期が読めなくなるため、スケジュールには余裕を持ちましょう。
解体すべきか迷ったら——更地化のデメリットも知っておく

補助金が出るとはいえ、「解体ありき」で進めるのは少し待ってください。
更地にすると固定資産税が上がる
住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により固定資産税が大幅に軽減されています(小規模住宅用地は課税標準が6分の1)。建物を解体して更地にすると、この特例が外れて土地の固定資産税が数倍に跳ね上がることがあります。
売却や活用の予定がないまま解体だけしてしまうと、「危険はなくなったが税負担だけ増えた」という状態になりかねません。
古家付きのまま売る選択肢もある
築古の建物でも、立地によっては「古家付き土地」として十分売却できます。買主が解体費用を見込んで購入するケースや、リフォームして住みたい・貸したいという買主が見つかるケースもあります。解体費用を自己負担せずに手放せるなら、その方が合理的なことも多いのです。
賃貸や駐車場など、解体以外の選択肢については空き家の活用方法の記事で詳しく解説しています。また、相続した空き家の場合は登記や税金の特例も絡んでくるため、相続不動産サポートのページもあわせてご覧ください。
まとめ:解体の前に「本当に解体すべきか」をご相談ください
高松市の老朽危険空き家除却支援補助事業のポイントをまとめます。
- 補助額は工事費の3分の1(上限50万円)、住民税非課税世帯は5分の4(上限120万円)
- 対象は市の基準で「不良住宅」と判定される老朽危険空き家
- 着工前の申請が必須。予算枠・受付期間があり、例年春に募集開始
- 更地にすると固定資産税が上がるため、売却・活用とセットで考えるのが鉄則
よしもと空き家相談所では、宅建士・空き家管理士1級の資格を持つ代表が、「解体して更地で売る」「古家付きのまま売る」「活用する」のどれが一番損をしないか、物件ごとに無料で診断しています。解体業者に見積を取る前に、まずはお問い合わせからお気軽にご相談ください。
※補助制度の内容は年度により変わります。最新の要件・受付状況は高松市の公式サイトまたは担当課(都市整備局 住宅政策課)にご確認ください。本記事は2026年6月時点の情報です。




