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売買仲介2026.10.01 (木)

借地権付き建物の売却|相続した借地の実家を売る流れと注意点

借地に建つ実家(借地権付き建物)も売却できます。相続で受け継ぐだけなら地主の承諾は原則不要ですが、第三者へ売るときは地主の承諾が鍵。承諾料や進め方、県外オーナーの現地対応まで高松の仲介専門店が解説します。

借地権付き建物の売却|相続した借地の実家を売る流れと注意点

借地に建つ実家(借地権付き建物)も、売却することはできます。鍵になるのは地主の承諾で、相続で受け継ぐだけなら承諾は原則不要ですが、第三者へ売るときは地主の承諾が必要です。

土地は地主から借り、その上の建物だけが自分の所有——というのが借地権付き建物です。所有権の家とは売り方の順序が違うため、地主への相談から進めます。承諾料や更新料、買い手の探しやすさなど、押さえておきたい点を高松の売買仲介専門店として整理します。

借地権付き建物とは

借地権付き建物とは、土地は地主から借り、その土地の上に建っている建物だけを自分が所有しているという形の不動産です。土地と建物の両方を自分が持つ「所有権」の住宅とは、権利のかたちが異なります。

土地を借りる代わりに、地主へ毎月(または毎年)地代を払い、契約更新のタイミングでは更新料を求められることもあります。実家が代々この形だった、というケースは高松でも珍しくありません。

借地権にはいくつか種類があり、大きくは契約の更新が予定されている普通借地権と、あらかじめ期間を定めて更新しない定期借地権に分かれます。どちらに当たるかで契約終了時の扱いが変わりますが、まずは手元の契約書(土地賃貸借契約書)で種類と残存期間、地代・更新の条件を確認するところから始めます。

建物は借地人、土地は地主が所有し、借地人が地代を支払う関係図

相続したときは地主の承諾は不要

親の実家が借地権付き建物だった場合、相続で借地権を受け継ぐだけなら、地主の承諾は原則として必要ありません。

これは、相続が民法でいう借地権の「譲渡」には当たらないためです。相続人は、被相続人が持っていた借地権(土地を借りる権利)をそのまま引き継ぐと解されており、地主の承諾を得るまでもなく借地人の立場を承継します。そのため、譲渡承諾料や名義変更料も基本的には発生しません。

ただし、相続したこと自体を地主が把握できるよう、契約者が変わった旨を地主へ連絡し、地代の振込先や連絡先を整理しておくとその後がスムーズです。なお、借地上の建物そのものについては相続登記(名義変更)が必要で、2024年4月から義務化されています。期限や手続きは相続登記の義務化はいつまで?で解説しています。相続した空き家の売却全体の流れは相続した空き家を売却するにはにまとめています。

第三者へ売るときは地主の承諾が必要

相続で受け継いだ後、その借地権付き建物を第三者(買い手)に売る場合には、あらためて地主の承諾が必要になります。ここが所有権の家と大きく違う点です。

根拠は民法第612条で、「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない」と定められています。地主の承諾を得ずに無断で借地権を譲渡すると、地主は契約の解除ができるとされているため、承諾なしに売却を進めることはできません。

承諾を得る際、地主から**譲渡承諾料(名義書換料)**を求められることがあります。金額は法律で決まっているものではなく、一般に借地権価格の1割程度とされますが、これはあくまで一般論で、実際には地主との合意で決まります。

万一、地主が正当な理由なく承諾してくれない場合の備えとして、借地借家法第19条に地主の承諾に代わる裁判所の許可を求める制度があります。借地上の建物を第三者に譲渡しようとする際、その第三者が借地権を取得しても地主に不利となるおそれがないのに地主が承諾しないときは、借地権者の申立てにより、裁判所が承諾に代わる許可を与えることができる、という仕組みです。実際に申し立てるかどうかは弁護士など専門家の判断が必要になりますが、「地主が承諾しなければ売れないだけ」ではない、という点は知っておくと安心です。

借地権付き建物を売る進め方

借地権付き建物の売却は、地主への相談を起点に進めます。おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 契約内容の確認:土地賃貸借契約書で、借地権の種類・残存期間・地代・更新条件を確認します。
  2. 地主への相談:借地権を第三者へ譲渡(売却)したい旨を地主へ伝え、承諾の可否と譲渡承諾料などの条件を確認します。
  3. 売り方の検討:確認できた条件をもとに、次のような選択肢から進め方を決めます。
  4. 買い手探し・契約・引き渡し:条件が固まったら募集を始め、買い手が決まれば地主の承諾を得たうえで契約・引き渡しに進みます。

売り方には、主に次のような選択肢があります。

  • 借地権付き建物として第三者に売る:地主の承諾を得たうえで、建物と借地権をそのまま買い手に引き継ぐ方法。
  • 地主に買い取ってもらう:借地権を地主自身に買い戻してもらう方法。地主にとっては土地を完全な所有権に戻せるため、話がまとまりやすいこともあります。
  • 底地とセットで売る:地主と協力し、借地権(建物側)と底地(土地側)を一つにまとめて売る方法。所有権の物件として売れるため、買い手の幅が広がりやすくなります。

どの方法が向くかは、地主との関係や物件の状態によって変わります。借地権付き建物は買い手を選ぶため、売り方の選択が特に大切です。買い手が早く見つかりやすいのはどの方法か、価格とのバランスも含めて考えたいところです。売却の方針を決めるにあたっては査定で見られるポイントや、買取と仲介はどちらが得か(当所は仲介専門で買取は行いませんが、比較の考え方として)もあわせてご覧ください。

借地権付き建物の売却条件を相談するイメージ

画像はイメージです。

注意しておきたい点

借地権付き建物を売るときに、つまずきやすい・見落としやすい点を整理します。

  • 承諾料・更新料:譲渡の際の譲渡承諾料に加え、契約更新の時期には更新料を求められることがあります。いずれも地主との合意で決まるため、売る前に条件を確認しておきます。
  • 建物の状態:借地上の建物は築年数が経っていることも多く、状態によって買い手の付きやすさが変わります。片付けや現状の確認は早めに進めておくと安心です。
  • 住宅ローンが付きにくい:借地権付き建物は、買い手側で住宅ローンの審査が通りにくい傾向があります。買い手の資金計画に影響するため、価格や売り方の検討時に意識しておきたい点です。
  • 借地権の評価や税金は専門家へ:借地権の価格(借地権割合は国税庁の路線価図に基づき評価されます)や、売却したときの税額の計算は、税理士など専門家の領域です。当所が評価額や税額を算定することはありません。当所は売買仲介として、地主との条件確認・買い手探し・契約までの調整を担う立場から、必要に応じて専門家への橋渡しをします。

県外にお住まいの方へ

「相続したのは香川の借地に建つ実家だが、自分は県外に住んでいて現地に行けない」というオーナーは少なくありません。借地権付き建物は地主とのやり取りが欠かせないぶん、遠方からだと負担に感じられがちです。

よしもと空き家相談所では、地主への連絡・相談の調整、現地確認、買い手探し、条件交渉まで現地対応を代行します。オーナー様には書類への署名・捺印と必要なご判断だけをしていただければ、帰省せずに売却を進めていただけます。売却が決まるまでの間、建物を良い状態に保つ空き家管理サービス(ワンコイン500円(税込)〜)もご利用いただけます。

遠方から香川の実家を売る流れの全体像は県外からの売却・活用まとめにまとめています。

参考資料・情報確認日


借地に建つ実家をどう扱えばよいか迷ったら、まずは契約書と現在の状態をお知らせください。地主への相談の進め方も含めて、一緒に整理します。相談・査定は無料です。お問い合わせまたはLINEからお気軽にご連絡ください。

よくある質問

Q.借地に建つ実家を相続しました。地主の承諾は必要ですか?

A.相続で借地権を受け継ぐだけなら、地主の承諾は原則不要です。相続は民法でいう「譲渡」に当たらず、相続人が借地権をそのまま承継すると解されているためです。承諾料や名義変更料も基本的には発生しません。ただし相続後にその建物を第三者へ売却する場合は、あらためて地主の承諾が必要になります。

Q.借地権付き建物を第三者に売るにはどうすればいいですか?

A.まず地主に相談し、借地権の譲渡について承諾を得るのが出発点です。民法第612条により、賃借人は賃貸人(地主)の承諾を得なければ賃借権を譲り渡せないと定められているためです。承諾を得たうえで買い手を探すか、地主に建物を買い取ってもらう、土地(底地)とセットで売るといった選択肢があります。まずは無料の相談から始められます。

Q.譲渡承諾料はいくらかかりますか?

A.地主の承諾を得る際に「譲渡承諾料(名義書換料)」を求められることがあり、一般に借地権価格の1割程度とされますが、これは法律で決まった金額ではなく地主との合意で決まります。実際の金額はケースにより異なるため、地主への相談時に条件を確認します。借地権価格の評価や税額の計算は税理士など専門家の領域となります。


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吉本光輝
吉本 光輝
KC合同会社 代表 / 宅地建物取引士 / 空き家管理士1級

香川県高松市を中心に、空き家の売却・管理をお手伝いしています。空き家再生事業にも取り組んでおり、建物の状態を見る目と売主様の立場に立った提案が強みです。

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