「親の家を相続したけれど、何から手をつければいいのか分からない」——そんな声を、高松市でもよく伺います。相続は一生に何度も経験するものではありません。だからこそ、基礎を押さえておくことが、損をしないための第一歩になります。
このページでは、不動産相続の全体像を、できるだけやさしくまとめました。気になる章から読み進めてください。
第1章はじめての不動産相続で知っておきたい基礎知識
まずは、相続の「分け方」と「不動産ならではの分割方法」、そして「不動産の価値の評価方法」という3つの基礎を押さえましょう。

1-1. 遺産の分け方を決める3つの方法
誰がどれだけ相続するかは、次の優先順位で決まります。遺言書があればそれが最優先。なければ相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決めます。
- 遺言による分割
内容:被相続人が遺した遺言書の内容にしたがって分ける。
優先順位:最優先
- 遺産分割協議
内容:相続人全員で話し合い、合意した内容で分ける。全員の同意が必要。
優先順位:遺言が無い場合
- 法定相続分
内容:協議がまとまらないとき、民法が定める割合を目安に分ける。
優先順位:協議不成立の場合
話し合いの目安となるのが「法定相続分」です。相続人の組み合わせによって割合が変わります。
法定相続人と法定相続分(主なケース)
- 配偶者と子
配偶者:1/2
その他:子 全員で 1/2
- 配偶者と父母
配偶者:2/3
その他:父母 全員で 1/3
- 配偶者と兄弟姉妹
配偶者:3/4
その他:兄弟姉妹 全員で 1/4
- 配偶者のみ
配偶者:すべて
その他:—
1-2. 不動産を分ける4つの方法
現金と違い、不動産はそのままでは分けられません。主な分割方法は次の4つです。
- 現物分割
内容:不動産そのものを相続人で分ける(土地を分筆するなど)。
向いているケース:土地が広く分筆できる場合
- 代償分割
内容:一人が不動産を相続し、ほかの相続人へ相応の現金を支払う。
向いているケース:実家に住み続けたい人がいる場合
- 換価分割
内容:不動産を売却し、得た現金を相続人で分ける。
向いているケース:空き家・誰も住まない実家
- 共有分割
内容:複数の相続人で共有名義にする。
向いているケース:※将来トラブルになりやすく要注意
1-3. 不動産の相続税評価の方法
相続税を計算する際、不動産の価値は時価ではなく、次の基準で評価します。
- 土地
評価の方法:原則「路線価方式」。路線価が定められていない地域は「倍率方式」(固定資産税評価額 × 倍率)。
- 建物
評価の方法:「固定資産税評価額」をそのまま用いる。
- 貸している土地・建物
評価の方法:借地権・借家権の分が控除され、評価額が下がる。
路線価は時価のおよそ8割が目安とされ、実際の売却価格とは異なります。「相続税評価額」と「売れる価格」は別物、と覚えておきましょう。
第2章相続にかかる税金・費用と、使える控除
相続には、相続税のほかにも登記や手続きの費用がかかります。一方で、負担を軽くする控除制度もあります。
2-1. 主な税金・費用の一覧
- 相続税
内容・目安:遺産総額が基礎控除を超えた場合に課税。税率は10〜55%の累進。
- 登録免許税
内容・目安:相続登記(名義変更)にかかる税。固定資産税評価額 × 0.4%。
- 司法書士報酬
内容・目安:相続登記を依頼する場合の費用。おおむね5〜15万円程度。
- 譲渡所得税
内容・目安:相続した不動産を売却し、利益が出た場合にかかる(売却時)。
- 各種証明書取得費
内容・目安:戸籍・住民票・登記事項証明書などの実費。
2-2. 使える控除・特例の一覧
- 基礎控除
内容:3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)。これを超えた分に相続税がかかる。
- 配偶者の税額軽減
内容:配偶者が相続する財産は、1億6,000万円または法定相続分まで非課税。
- 小規模宅地等の特例
内容:居住用宅地などは、一定面積まで評価額を最大80%減額できる。
- 空き家の3,000万円特別控除
内容:相続した空き家を一定条件で売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除(売却時)。
第3章相続の流れと必要な手続き・期限
相続には期限のある手続きがいくつもあります。特に注意したいのが、相続放棄(3か月)、準確定申告(4か月)、相続税申告(10か月)。全体の流れを把握しておきましょう。
- 1
死亡届の提出・遺言書の確認
7日以内市区町村役場死亡届を提出。あわせて遺言書の有無を確認します。自筆の遺言書は家庭裁判所での「検認」が必要です。
- 2
相続人・相続財産の調査
戸籍収集財産目録戸籍をたどって相続人を確定し、不動産・預貯金・負債などの財産をすべて洗い出します。
- 3
相続放棄・限定承認の判断
3か月以内家庭裁判所負債が多い場合などは、相続放棄や限定承認を検討。期限を過ぎると原則すべてを相続したものとみなされます。
- 4
準確定申告
4か月以内税務署被相続人に確定申告が必要だった場合、相続人が代わりに申告・納税します。
- 5
遺産分割協議・協議書の作成
相続人全員実印・印鑑証明誰が何を相続するかを話し合い、合意内容を「遺産分割協議書」にまとめ、全員が署名・実印で押印します。
- 6
相続登記(名義変更)
3年以内・義務法務局不動産の名義を相続人へ変更します。2024年4月から相続登記は義務化され、正当な理由なく怠ると過料の対象になります。
- 7
相続税の申告・納税
10か月以内税務署基礎控除を超える場合に申告・納税します。期限を過ぎると加算税・延滞税がかかることがあります。
第4章データで見る、不動産相続のいま
相続をめぐる状況は、年々変化しています。全国的な傾向から、相続不動産の「いま」を見てみましょう。
約6割
相続財産に占める不動産(土地・家屋)の割合。相続の中心は、今も不動産です。
13.8%
全国の空き家率(総務省 住宅・土地統計調査)。空き家は増え続けています。
3年
相続登記の義務化による申請期限。怠ると過料の対象になり得ます。
高松市を含む地方では、人口減少を背景に空き家が増加傾向にあります。放置された空き家は資産価値が下がるだけでなく、管理の手間や近隣トラブルの原因にもなりかねません。相続したら「どうするか」を早めに決めることが、結果的に資産を守ることにつながります。
第5章相続した不動産を、上手に売却するコツ
「住む予定がない」「管理が難しい」相続不動産は、売却して現金で分ける(換価分割)のが現実的な選択肢になります。納得のいく売却のための3つのコツです。
コツ1. まずは正確な価値を知る(無料査定)
売却の出発点は、いまの価値を知ることです。相続税評価額(路線価ベース)と実際に売れる価格は異なります。高松市の相場はエリアや道路付け、建物の状態で大きく変わるため、まずは無料査定で具体的な金額を把握しましょう。当相談所では査定・ご相談は無料です。
コツ2. 「売る・貸す・管理する」を比較して決める
急いで売る前に、選択肢を並べて比べることが大切です。賃貸に出す、当面は管理サービスで維持する、リノベーションして活用する——状況によって最適解は変わります。空き家管理と売却の両方を扱う当相談所なら、フラットな視点でご提案できます。
コツ3. 控除の期限を意識してタイミングを計る
「空き家の3,000万円特別控除」など、売却時に使える特例には適用期限や条件があります。タイミングを誤ると使えなくなることも。売却を考え始めたら、早めに専門家へ相談しておくと安心です。
第6章相続手続きに必要な書類一覧
相続登記や相続税申告では、多くの書類が必要です。代表的なものをまとめました。早めに集め始めると、その後の手続きがスムーズです。
- 被相続人の出生〜死亡までの戸籍謄本
主な入手先:本籍地の市区町村
主な用途:相続人の確定
- 相続人全員の戸籍謄本
主な入手先:各本籍地の市区町村
主な用途:相続人の確認
- 被相続人の住民票の除票
主な入手先:住所地の市区町村
主な用途:登記・申告
- 相続人全員の住民票
主な入手先:住所地の市区町村
主な用途:登記
- 相続人全員の印鑑証明書
主な入手先:住所地の市区町村
主な用途:遺産分割協議書
- 固定資産評価証明書
主な入手先:不動産所在地の市区町村
主な用途:登録免許税の計算
- 登記事項証明書(登記簿謄本)
主な入手先:法務局
主な用途:不動産の確認
- 遺産分割協議書
主な入手先:相続人が作成
主な用途:登記・申告
第7章高松市での書類の入手先・相談窓口
高松市で相続手続きを進める際の、主な公的機関の窓口です。最新の所在地・受付時間は、各機関の公式情報をご確認ください。
- 高松市役所
取り扱い:戸籍・住民票・印鑑証明・固定資産評価証明 など
所在地(目安):香川県高松市番町一丁目8番15号
- 高松法務局(本局)
取り扱い:登記事項証明書・相続登記の申請
所在地(目安):香川県高松市丸の内1番1号 高松法務合同庁舎
- 高松税務署
取り扱い:相続税・準確定申告
所在地(目安):香川県高松市天神前2番10号
- 家庭裁判所(高松家庭裁判所)
取り扱い:相続放棄・遺言書の検認
所在地(目安):香川県高松市丸の内1番36号
※本記事は一般的な情報をまとめたものです。税額・控除の適用や具体的な手続きは、個別の事情により異なります。実際の手続きにあたっては、税理士・司法書士などの専門家、および各公的機関の最新情報をご確認ください。
