空き家の売却時期は、家族が使う予定、建物の傷み、維持費、税の特例の期限を並べて考えます。築年数だけで売り時が決まるわけではありません。
売るか迷っている間にも管理費や固定資産税はかかります。査定を受け、今売る場合と持ち続ける場合の負担を比べるところから始められます。
売却のタイミングで価格が変わる
「いつか売ろう」と思いながら、気がつけば数年が経っていた——。
空き家の売却タイミングは、売却価格や税負担に大きく影響します。ここでは、さまざまな角度から最適な売却タイミングを考えてみましょう。
タイミングを左右する4つの要素

1. 建物の築年数
築年数は判断材料の一つですが、「築20年を超えたら価値がゼロ」と一律には判断できません。修繕履歴、建物・設備の状態、立地、買い手の使い方を確認し、現状のまま売る場合と修繕・解体する場合を比べます。
解体を先に決めず、査定で確認するポイントを参考に、残して売れる可能性も相談してください。
2. 不動産市場の動向
不動産価格は景気や金利、人口動態などに影響されます。
同じ高松市内でも、場所や物件の状態によって需要は異なります。近隣の売出価格だけで決めず、実際の成約状況、競合物件、希望する引き渡し時期を確認します。価格の上昇・下落を断定して売却を急ぐのではなく、ご自身の条件で判断しましょう。

3. 税制上の期限
相続した空き家を売却する場合、知っておくべき期限があります。
| 制度 | 売却期限の基本 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 相続空き家の特別控除 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。現行制度の対象譲渡期間は2027年12月31日まで | 建築時期、居住状況、売却額などの要件あり |
| 取得費加算の特例 | 相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで | 相続税が課税されていることなどの要件あり |
どちらも「相続後3年以内」と一括りにはできません。同じ譲渡に両方を併用することはできず、具体的な適用可否・期限は税務署や税理士に確認します。
出典:国税庁 No.3306、国税庁 No.3267(2026年9月17日確認)。相続空き家の特別控除の解説も参照してください。
4. 維持コスト
空き家を持ち続ける限り、以下のコストが発生し続けます。
- 固定資産税・都市計画税 — 毎年の負担
- 火災保険料 — 空き家でも加入推奨
- 管理費用 — 自分で管理する場合は交通費と時間、管理サービスを利用する場合はその費用
- 修繕費 — 劣化が進むほど高額に
売却時期を延ばすなら、これらの保有費用を見積もり、使う予定や今後の収支と比べます。

季節による売れやすさ
季節だけで売れる時期は決まりません。物件の用途や価格、地域の需要で販売期間は変わります。希望する引き渡し日から逆算し、査定、家族間の相談、登記や必要書類の確認に余裕を持たせてください。

「迷っているうちに売れなくなる」リスク
空き家の売却を先延ばしにするリスクは、実は価格下落だけではありません。
- 建物の劣化が進み、解体費用が高額に
- 管理状態によって税負担が変わる場合があるため、自治体の案内を確認(→特定空家で固定資産税6倍は本当?)
- 近隣トラブルが発生し、売却条件が悪化
- 相続人の状況変化(認知症、さらなる相続の発生など)
急いで売りたい場合は、買取と仲介の違いも確認し、価格と売却までの期間を比較してください。当相談所は仲介専門です。
ご相談について
家族が使う予定がない、管理の負担が大きい、税の特例期限が近いといった場合は、売却の準備や相談を始める目安になります。売ると決めていない段階でも、ご希望と物件の状況を整理できます。
まずは査定を受けて、物件の現在の価値を知ることから始めてみてください。何を見て査定額が決まるのかは空き家の査定で見られるポイントと高く売るコツにまとめています。「売る・貸す・持ち続ける」で迷っている方は空き家の活用方法を比較もあわせてご覧ください。
参考資料・情報確認日
- 国税庁 タックスアンサー No.3306(国税庁・被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例/最終確認日:2026年9月17日)
- 国税庁 タックスアンサー No.3267(国税庁・相続財産を譲渡した場合の取得費の特例/最終確認日:2026年9月17日)
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